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鳥類学者 川上和人さん2017年6月:南硫黄島の調査。山上の調査のため谷部を登攀中
夢を持たなくても道は拓ける2017年6月:南硫黄島の調査。山上の調査のため谷部を登攀中

95年に初めて小笠原諸島に行かれたと本にありました。27年前ですね。

子どもの頃から鳥が好きで研究がしたくて小笠原諸島を選んだというわけではありませんでした。もともとは鳥にそれほど興味はなく、なんとなくサークルに入り、偶然卒論で鳥をテーマにして、与えられたテーマで小笠原に行って鳥の研究を始めました。それでもそれ以来、鳥の研究を楽しく続けています。研究者は、昔からの夢を叶えてそうなるべくしてなる人ばかりではありません。子どもの頃の僕には、それほどしっかりとした将来の夢はありませんでした。

こういう人になりたい!とそこにまっすぐ向かっていく人は少数派で、多くの子どもは具体的な将来の夢なんて深く考えず、その時を楽しく生きていると思います。僕もその時々、楽しく生きてきて今のこの状態になっています。もちろん夢を抱いて努力することも大切ですが、無理して夢を見る必要はないし、無理して積極的になることもない。受け身であってもチャンスに従って、自分に合った職業に就くことができることもあります。だから、具体的な夢がない場合には、選択肢を増やす努力、目の前の選択肢を適切に選ぶ努力はしていければよいと思います。

確かに。夢とか目標とかなくても日々を幸せに生きられるものです。

将来を考えず、やりたいことがないとダメ人間と思われがちです。将来何になりたいの?何のために大学に行くの?と聞かれると、ちゃんと答えなくてはいけないと思ってしまうからその場凌ぎで誤魔化すこともあります。でも、そうじゃなくてもよいと思います。夢がある人はそれを伸ばせばいいし、なければ先延ばしにして選択肢を狭めないようにすればいい。僕は大志は抱いていませんでしたが、その場その場で楽しくやっていく決断はしてきました。大きな夢や大きな目標がなくても、そういう子どもはそのままでもよく、無理に夢を持たせようとするのはお互い不幸になります。

先生の場合は勉強ができたから選択肢が広がったように思います。コンプレックスはなかったですか?

僕はリズム感が悪く、すごく音痴で音楽が全然ダメでした。聞くのは大好きですけれど。運動も苦手で体育も非常に成績は悪く、そういう点でコンプレックスを抱えていました。ただ勉強はある程度できました。逆に勉強は大してできなくても音楽で素晴らしい才能を発揮したり、足の速い人、球技ができる人もいます。コンプレックスは誰にでもあります。勉強ができるのは、ある程度は遺伝だと思います。僕は勉強ができることをいかす方向で生きてきました。もしも僕が歌手になろうとしていたら、日の目を見ずに終わっていたでしょう。自分の能力を弁えず、この歌を僕が皆に届けたい!と思っていたら人生大変なことになっていたはずです(笑)。

おもしろい(笑)。自分に何が合っているのか見極める力があったのですね。

何ができなくて、何ができるのかは理解していたと思います。僕は器用貧乏な7割主義者です。好きなことに没頭して極めるのは一つの方法ですが、僕が取っていた方法はそれではありませんでした。いろんなことを7割で済ます方針が僕には合っていました。いろんな方法からどれを選択してもいいから自分に合ったものを選べばいいと思います。僕の特性を最初にわかったのは親だと思います。中学受験をして私立中高一貫校へ進学しましたが、それは親が勧めてくれたものでした。きっかけがあったからやってみたわけです。これも受動的ですが、選択した進学校でも楽しく過ごせました。

自分のことを早く理解する方法はありますか?

自分のことを本当にきちんと理解できているかは、時間が経たないとわからないと思います。僕も鳥の研究者になる時、研究に必要なアイデアを何十年間も出し続けられるのだろうか?と不安でした。でも考えてもわからないし、途中でダメになったら方針転換すればいいや、と思っていました。漫画「めぞん一刻」の中で、主人公の五代君が職場の先輩にうまくいかなかった時にどうするのかと聞くと、先輩が「その時は潔く全速力で引き返して謝ればいいんだ」というようなやり取りがありました。台詞はうろ覚えですが、あゝ人生ってそういうものだな!と気づかされました。いつでもやり直しはきくし、大概なんとかなるものなんです。

もう一つ、映画「ミス・リトル・サンシャイン」では、おじいさんが孫娘に「負け犬とは、負けることが怖くて挑戦できないヤツのことを言うんだ」と語ります。負けることが負け犬ではないんです。失敗したら失敗を認めて、その時は謝ったり引き返せばいい。考えてもわからないこともある。行けると思ったらチャレンジすればいいんです。

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