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絵本作家・イラストレーター 松本春野さん当時のちひろ美術館前でお母さまに抱っこされる春野さん(1歳の頃)
SNSではなく実社会の人とつながりを。当時のちひろ美術館前でお母さまに抱っこされる春野さん(1歳の頃)

SNSから距離を置いたのは、どのような思いからですか?

3.11後は、原発被害にあった福島の絵本を作ったこともあり、社会についての思いなど、SNSで熱心に発信していました。発信するほど取材や講演依頼も増え、ちょっとしたSNS言論人のようでした。そうなると、スピーディーにオールラウンドでコメントを求められているような気持ちになり、焦りに駆られていました。毎日ニュースに食いつき、にわか知識で情報発信するわけですから、質は落ちます。けれども、フォロワーの「分かりやすい」の琴線に触れると「いいね!」が多くつくので、気づかぬうちに、発信の質より承認されることが目的となっていた気もします。

SNSは一度発信したものは取り消せないことも怖い。不確かな情報を拡散してしまったり、失言がずっと後についてくる。「間違い」が許されず、細かい意見の違いで、あちこちで分断が起きるSNSの世界。視野を広げるつもりで始めたはずなのに、逆に視野が狭くなっていた自分がいました。

子どもが生まれたことをきっかけに、トピックを自分の仕事に絞り、SNS発信回数をだいぶ減らしました。育児をしながら、本来の持ち場「紙媒体」での仕事を毎日ちゃんとやる姿勢に戻したところ、SNSで知らない人に承認されていた時より、自分を好きになりました。いろいろな人を挟んで成り立つ紙媒体での発信は、安心感があります。熟考した上で発信するし、「間違い」は何重にもチェックされる。読者がその情報を受け取っても、「既読」もつかないから、いつ読んでも何を思っても自由。健全です。

出産し地域とつながりをもてたことでは、イデオロギーなど関係なく人とつながれるので、SNSで感じていた「分断」の感覚がどんどん薄まりました。ちょっとの差異など基本的にはよそのご家庭のことで、まったく気にならない。今は、SNSより実社会でのコミュニケーションが楽しいです。

育児中は特に地域のつながりは助かりますね。5歳児を子育てするお母さんでもありますが、日々感じられることはどんなことでしょうか?

自分も発展途上ですが母となり、子どもを産んでからずっとこの子をどう自立させるか?を考えています。依存先を増やすことも含めての自立。自分の手を離れることが寂しいのではなく、喜びと思って育てようと。私は妊娠中に離婚をして独りで出産したシングルマザーですが、今は新しいパートナーと一緒に暮らし子育てしています。子どもが大好きでかわいくて育ててきましたが、独りの時は、家庭内に一瞬一瞬の成長を喜び合える人がおらず寂しかった。だからこそ、日々娘の成長を楽しみにしてくれる保育士さんやご近所さんやママ友の関係には救われました。偶然にも周りにシングルマザーも多く、生活環境の違いはあれど、仲間として楽しくつながれて子どもを見守り合っています。

出産しても子どもが歩けない頃は、物理的には拘束されるけれど、精神的にはまだ自分の人生を謳歌している気持ちでした。母親になったという感覚が強まったのは子どもの自我が生まれてから。私も娘もしっかりそれぞれの道を進めることが幸せ。成人までは良き伴走者として親子で走り続けたいです。

新しいパートナーと暮らせることも、子どもに伴走するという姿勢も素敵ですね。ご自身はどんな幼少期をお過ごしでしたか?

両親には愛してもらいましたが、丁寧に育てられた覚えがないんです(笑)。とにかく多忙な経営者の上、子どもは4人。経済的には恵まれていたので、あらゆる家事を外注していました。最初の方の子どもはそれなりにピアノも勉強もできるように仕上げていましたが、三番目の私や四番目の弟ともなると何も…(笑)。習い事はやりたいといえばやらせてもらえましたが、継続や習慣化する助言や介入は一切ありませんでした。遅刻常習犯で、学校の宿題も全然やらない大変な子どもでした。基本的な生活習慣、毎日やらなければいけないことを、しっかりやり続けることの大切さをもっと言葉で教えて欲しかった(泣)。そこを叩き込んでもらえていたら、もっと計画的に絵を描き、原稿をあげられる人に成長していたかもしれない… 贅沢者の戯言です(笑)。

よかったのはほとんど否定されなかったこと。父は最高の褒め上手でした。家の中は会話が溢れていたし、親は仕事と遊びのけじめがしっかりあったので夏休みや冬休みは家族みんなで自然の中でたくさん遊びまわりました。

忙しかった親御さんは、きっと背中で教えていらしたのだと思います。

「ママみたいに手づくりのお菓子を作れるようになりたい」なんて思い出はありません。そんなお菓子はうちでは出てきませんでしたから。でも、母が夜中まで起きて「原稿が上がらない」と言って仕事をしていた姿は幼いながらカッコイイ!と思っていましたし、父が朝食を作るスタイルも好きでした。どんな親でも子どもは好きなんですね。自分の経験を踏まえて、娘にはKUMONをやらせて『毎日仕事をやらなくてはならない』ということを刷り込んでいます。過去の自分の教訓から(笑)。

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