ハンドベルの第一人者でもありながら3人のお子さんのお母さんでいらっしゃいますが、教育方針はおありですか? 『好きなことを一つでいいから作りなさい』と伝えています。中2長男は理科が好きで理科研究部に所属しています。虫や魚や微生物に興味があるようです。先入観をもたずに多面的に物事を見る大切さを教えています。一方、小6次男はサッカーと卓球をやっていて、体を動かすのが大好き。幼稚園年中の長女は音楽をやりたいようです。何をやらせたからこうなりました…というのではなく、持って生まれたものがそれぞれあると思います。 おもしろい!3人ともそれぞれ趣向が異なる。泰子さんは幼少期からハンドベル奏者を夢見ておられたのですか? ハンドベルは中学で出会ってから好きになりましたが、小学校時代はチェロを習いたいと親に頼んで却下されていました。チェロを習っていたらまた違う人生だったかもしれないし、やっぱりハンドベルをやっていたかもしれないし。大人になってからチェロを習う機会に恵まれました。すごく思うのは、やってきたことすべてがいかされている。邦楽も、弦楽器も、読んだ本、観た映画、体験したことや見てきたものすべてが音に反映されます。どんな音をイメージできるか?は、経験してきたことで成り立っていると思います。 人生経験のすべてが演奏の深みにつながっているのですね。ちなみに10歳年下の旦那様の存在も音色の深みに?(笑) 夫は音楽をやっていません。そもそもの出会いは、世田谷にある実家の近所のおいしいフレンチレストランへよくランチに通っていて、夫はそこの店員のひとりとして働いていました。頼んでもいないのによくデザートも出てくるのでサービスとはいえ親切だなぁ…と思っていたら、私は彼の名前も覚えていなかったのですが、あちらは好意を寄せてくれていたようで。10歳違いますが、当時からそんなに若くも見えず、好みというわけでもなく、趣味も違う…。まったく対象圏外、ノーマークの人でしたから…なぜ夫婦になったの?と聞かれれば「ご縁」としか言いようがないです(笑)。 恋愛は理屈では表現できないもの。音楽も一緒かもしれません…「きりく」の演奏は楽譜を追うより、イメージを共有して奏でる音色なのですね。今後どのような活動を? とにかく良い響き、良い作品を創りたい。場のエネルギーも人の意識も変わるような音楽。独りでできることはやりすぎて潰れやすいけれど、皆でするものは制限付きではあるけれど息長くできます。もっとたくさんの場で演奏をしたい。私たちのハンドベル作品は量産ができません。もし量産するなら時間が必要で、できるだけメンバーチェンジはしたくない。5年後、10年後どうなっているかはわかりませんが、同じメンバーで活動を続けていられる奇跡が起こることを願いつつ、より熟成された音楽を創っていきたいですね。 ---ありがとうございました! <了> ●大坪 泰子さん 活動情報 きりくハンドベルアンサンブル ●アルバム紹介 新規アルバムレコーディング予定!
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