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俵万智さん

俵 万智(たわら まち)

1962年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部卒。87年刊行の歌集「サラダ記念日」で翌年、第32回現代歌人協会賞を受賞。以降、幅広い執筆活動を行い、96年より読売歌壇の選者を務める。歌集に「かぜのてのひら」「チョコレート革命」「プーさんの鼻」(第11回若山牧水賞)「オレがマリオ」「とれたての短歌です。」「もうひとつの恋」(以上2冊は写真・浅井慎平との共著)、小説に「トリアングル」、エッセイに「あなたと読む恋の歌百首」「かーかん、はあい 子どもと本と私」「旅の人、島の人」など。2004年、「愛する源氏物語」で第14回紫式部文学賞、19年に「牧水の恋」で第29回宮日出版文化賞特別大賞、21年に歌集「未来のサイズ」で第36回詩歌文学館賞、第55回迢空賞を受賞。»  俵 万智 公式サイトはこちら»   twitterはこちら

言葉で捕まえた表現に、読み手が意味を付け加える。

一世を風靡した「サラダ記念日」からずっと俵さんの短歌ファンです。特にコロナ禍となってからもたびたびTwitterなどで歌を拝見して沁みてました。歌人を志されたのはどんなきっかけがあったのでしょう。

大学生の時に受けた佐佐木幸綱先生の授業がおもしろくて。先生は歌人で、それで短歌に興味を持ちました。もともと本を読むのが好きで、特に言葉に関するもの、方言、敬語、言語学の本。大学では日本文学科で一通り日本文学の古典から近現代まで網羅しつつ、それ以外も国語学という日本語を学問する、言葉そのものの勉強が好きでした。

短歌は好きで作っていて、歌人を職業と捉えておらず大学卒業後は高校の教員になり丸4年勤めました。87年にサラダ記念日が出た頃は、高校の教員2年目で、その後も2年続けました。まだ20代で、生徒は弟や妹のような存在。書く仕事が増えてきたので区切りをつけました。

高校生に国語を教えること。短歌を作ること。それぞれ別のフィールドですが、どんな先生でしたか?

古文や現代文は好きでしたけれども、私は漢文には特に興味がなくて。でも教えるからには好きになろうと生徒に教える中で漢詩が好きになったり。過去のものを手渡すだけでなく、自分も現在進行形で読者であり、作り手である。短歌を作っていることも生徒たちに話していましたし、教え方がうまいベテランの先生には叶わないけれど、自分がビビッドに文学に関わっているということは、新米ながら大切にして子どもたちに伝えたいと思っていました。

「牧水の恋」という作品を拝読して、俵さんが語り部として牧水の詠んだ歌の解説をされ、まるで映画のような展開です。作品で伝えたいことはどんなことでしょう?

作品をどう読み取れるかが文学の楽しさで、正解はありません。私はこういうふうに牧水の作品を受け取りました、という一つの形です。言葉が好きで、短歌が好きというのが基本で、はじめに言いたいことがあって短歌を作るわけではない。日々の暮らしで感じたことは、そのままにしていたら形にならず、思っても思いっぱなし。それを言葉で捕まえて、形にして残したい。読み手がどう受け止めるか。私が感じていることを共感してもらえたらうれしいし、もしかしたら牧水が意図した以上のことを私が読み取ることもあるように、私が作る歌を、読む人がその人なりに、また意味を付け加えてくれたら。短歌というのはとても短い詩の形で、そういうことが起こりやすい。作り手としてはそれもまた楽しみ。一つのことを伝えるために一首、というわけではないんです。

読み手が意味をプラスするからこそ楽しいわけですね。「牧水の恋」を手掛けられたのは何かきっかけが?

若山牧水賞を第4歌集で受賞した10数年前から、牧水の若い頃の恋愛について書きたいなと思っていました。その時は宮崎に住むことになるとはまったく思っていませんでしたが、不思議なことに牧水の故郷である宮崎に住むことに。ここには短歌の先輩が多く、高校生対象の牧水短歌甲子園という催しがあって、その審査員を石垣島にいる頃から務めていました。年に何回も宮崎に来ていたので土地勘もあり、知り合いも多かったのです。そうした縁で宮崎に全寮制のユニークな学校があると見学をしにいったら、息子が気に入って宮崎に引っ越すことになりました。

お国自慢のために牧水を選んだのではなく、昔から牧水の作品をと思っていて今書かなくては、という気持ちにさせられて。そもそもは牧水賞受賞があったからこそですので、宮崎とは縁があったのでしょう。

旅と酒の歌人・若山牧水は、恋の歌人でもあった―のを俵さんが読み解く評伝小説。

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