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母親の育児ストレスや育児不安の研究に取り組む第一人者 大日向雅美さん

大日向 雅美(おおひなた まさみ)

1950年生まれ。現在、恵泉女学園大学学長。 お茶の水女子大学卒業。同大学院修士課程修了。東京都立大学大学院博士課程満期退学。学術博士(お茶の水女子大学)。 1970年代初めのコインロッカー・ベビー事件を契機に、母親の育児ストレスや育児不安の研究に取り組む。2003年よりNPO法人あい・ぽーとステーション代表理事、子育てひろば「あい・ぽーと」施設長として、社会や地域で子育てを支える活動に従事。内閣府:社会保障制度改革推進会議委員、子ども・子育て会議委員、厚生労働省:社会保障審議会委員等も務める。 主な著書に、『子育てと出会うとき』(NHKブックス)、『「子育て支援が親をダメにする」なんて言わせない』(岩波書店)、『「人生案内」孫は来てよし、帰ってよし」(東京堂出版)、『おひさまのようなママでいて』(幻冬舎)、『人生案内にみる女性の生き方~母娘関係』(日本評論社)ほか多数。 »  大日向 雅美 公式サイトはこちら

70年代から40年経っても、二世代で苦しむ母。

大日向先生は70年代初めにコインロッカーに赤ちゃんを置き去りにする事件があった頃から、母性の研究をされています。この40年間の母親の変化をどう見てらっしゃいますか?

「学長の部屋」という大学HPのBlogで毎週月曜日に更新をしていますが、ちょうど昨日書いたのが「女性の人生、何も変わっていない」というものです。私の研究は、70年代初頭のコインロッカー・ベビー事件をきっかけにスタートしました。母親がわが子を殺めるという事実に大変衝撃を受けましたが、他方で母親であればだれもが完ぺきな子育てができるはずなのに…という母性観にも怖さを覚えました。いろいろな事情があるにもかかわらず、子育てに挫折してしまった女性たちを一方的に「鬼のような母」「母親失格」と断罪する当時の風潮にとても違和感を覚えたのです。全国各地をまわって、母親六千人ほどにヒアリングをした結果、そうした母性観にどれほど苦しんでいるかを痛感しました。そこから「母性愛神話からの解放」を訴えることが私のライフワークとなりましたが、母性愛への信奉が強い当時の社会からさまざまなバッシングも受けました。その時代と比べると、今は女性の活躍促進や子育て支援の必要性が高らかにうたわれています。世の中のベクトルは確かに良い方向に向かっていると思いたいですね。でも、母親たち、女性たちの生活の実態を見つめてみると、残念ながらまださほど変わっていないことも事実です。

母親に変化がないとされるのは、どういう点でしょう?

先日、ある講演会で最前列に座って熱心に話を聞かれていた若いお母さんが「私の人生、こんなはずではなかった…」と涙ながらに言われました。「結婚、子育てで自分の人生が変わってしまった。何も変わらない夫の生活を見ているとうらやましい。でもこんなふうに思う私は母親に向いていない。自己嫌悪の日々です」というのです。これは40年前の母たちが感じてきたことそのままです。つまり親子二世代に渡って変わっていないわけです。

母親失格と自分を責めてしまうのですね。年々、子育て支援が強化されていますが、環境が整備されてもそうなのでしょうか?

母親となった以上、母親以外の自分は切り捨てなくてはならない。いつでも子どものことを考え、子どものそばにいなくてはならないと自分で自分を縛ってしまっています。働いているのでなく、専業主婦で自分の時間が欲しいなどと言ってはいけないのではないか…と考える女性が、まだたくさんいます。70年代は子育て支援などなかったけれど、今は全国各地で支援があります。にもかかわらず支援を受けるのは贅沢ではないか?などと思ってしまう。子どもを愛することは大切です。でも、そのためにも自分を大切にしてほしい。今こそ女性が自分の人生にキャスティングボードを握る時です。「自分の人生こんなはずではなかった」と悲痛な叫びをあげている声に耳を傾け、解決を模索することが、真の女性の活躍を願うことなのだと思います。

先生が学長を務める恵泉女学園大学では女性の「生涯就業力」を唄われています。具体的にこれはどういうことを訴求されているのでしょう?

大学を卒業する時点での就職も大切ですが、これからは社会変動の大きい時代に突入します。生涯にわたって何があってもめげずに社会にかかわり、精神的経済的な自立を心がけて自分を磨き続ける力が必要です。特に女性の人生は男性に比べて、けっして一本道ではありません。結婚や子育てがあり、夫の転勤があれば仕事を中断せざるを得ない。子育てが一段落すれば介護も。人生二転三転しても自分の人生は自分で見捨てずに、自分を磨き続ける力を「生涯就業力」と呼んで、そのための力を身につけることを大学の学びとして大切にいます。

恵泉女学園大学HPの学長Blogは毎週月曜日更新。

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